DirbatoではDEI(Diversity, Equity & Inclusion)の取組みの一環として、定期的にキャリア座談会を実施しています。今回は「今後も活躍し続けていくための、40代後半からのキャリア・働き方を考える」をテーマに、キャリアを考えたい40代後半~50代後半の社員と、ファシリテーターとなる60代の社員を集め、お互いの経験やキャリアに関する悩みを共有していただきました。
今回ベテラン社員向けのキャリア座談会を企画したきっかけがいくつかありました。ITコンサルタントという職業柄クライアント先に常駐することが多いDirbato社員。社内で同年代などでの気軽な横のつながりを作ることが難しいとの声が出ていました。ベテラン社員がキャリアに悩むケースも多く、悩みを相談できる同年代の仲間やロールモデルとなる先輩社員と社内で出会える機会があまりありませんでした。 「ベテラン社員同士のつながりを作り、ベテラン社員が活気ある会社を作ろう!」という意見から本企画が立ち上がりました。
これからどうキャリアを歩んでいくのか
マネージャー職のAさんは、40代後半になった今、今後も自分のスキルを伸ばすことができるのか悩んでいました。
Aさん(40代)「キャリアの形成も悩んでいます。40代後半は過去の経験値を消費するだけなのか、いや、Dirbatoで自分の能力はまだまだ開拓していけるのではないかという思いがあって、その間で悩んでいます。自分の能力の伸ばし方というのは座学以外に、プロジェクトの中でも磨かれていくものでしょうか?」
Cさん(60代)「プロジェクトのポジションによりますが、磨く機会は十分にあると思います。40代後半以降は周りから色々な期待をされてアサインが行われる上に、未経験のプロジェクトへのアサインを打診されることもあると思います。それにチャレンジし続けられるかどうかが能力を伸ばせるかの運命の分かれ道になってくると思います。私はどんなプロジェクトでもチャレンジするよう心がけています。」
また、マネージャー職のBさんは参画プロジェクト以外の分野で、自ら新しい業務にチャレンジされていました。
Bさん(40代)「私は最近、営業が行う業務領域にも興味が出てきました。コンサルタントとしての新規案件獲得方法を考えてみたりしていて、自分の業務以上のことにもチャレンジをしています。」
Cさん(60代)「営業支援へのチャレンジにはとても賛成です。IT分野の様々なバックグラウンドがある私達だからこそできる案件拡大支援や営業支援の方法があると思いますし、会社への大きな貢献になります。前職で培ったコネクションや我々が持つ知見で力を合わせて、今後は組織的な営業活動をしていけるといいですね。ベテラン社員はデリバリーだけでなく、様々な角度から会社に貢献することができますし、そのように自分の役回りを発揮することで、昇給・昇進のチャンスも広がってモチベーションを保つことができると思います。」
未知の分野に挑戦し続ける姿勢が、とどまることなく能力を伸ばし続けられる皆さんの共通項のように感じました。
40代以降のキャリア形成について、ファシリテーターからはこのような総括がありました。
「年齢は大きな問題ではなく、自分がどんな役回りを担っていけるかが重要かと思います。何を期待されていて、どんなパフォーマンスしているかというところがかなり重要なのではないかと感じます。また、技術に自信がある方はそれを武器に戦うべきですし、技術を伸ばし続ける自信がない方は苦労を買って出るような働きっぷりができる人がいつまでも活躍し続けられるのではないかと思います。」
時代・環境の変化にどのように適応していくか
「時代・環境の変化にどのように適応していくか」というテーマについても、皆さんから多くの意見が出ました。
・ベテラン社員が持つ”経験値”は常に強みになる
「時代の流れに関係なく強みとして使えるのは、プロジェクトマネジメント関連のスキルではないでしょうか。ただし、よく言われるPMBOK等はあくまでベストプラクティスであって、いくら勉強したところで経験値がないと活用できません。若手にはない自分の”経験値”との掛け合わせでプロジェクトマネジメント能力を発揮することで、時代の変化に関係なく生き残っていけるのではないかと考えます。ただし、一つとして同じプロジェクトは存在しないので、自分の経験値を過信してどのプロジェクトでも同じ方法でスキルを再現しようとすると失敗する恐れがあります。経験値を活かしつつ各プロジェクト固有の癖やリスクを見抜いて対応していくことが重要です。そして、また引き出しもひとつずつ増やしていけるのではないかと思います。」
・新しい分野について学ぶ意欲を持つ
「クラウド領域などは近年出てきた領域で、元々オンプレミスで作業してきた世代の私には理解し難いようなところもあります。ただ、ITコンサルタントとして働く以上はクラウド案件から逃げられない時代ですので、そうした新しい分野に食わず嫌いをせず挑戦していくことは、40代後半以降のキャリアを形成していく上で特に重要なのではないかと考えます。」 「ITコンサルタントとしてのキャリア形成で言えば、やはりクライアント受けが良いスキルや資格を取ると良いと思います。そのためにも、常にアンテナを張って流行りの技術領域等を把握しておくことが重要ですね。」
・時代に合わせたコミュニケーションスキルを習得する
「時代や環境を変化させるのは、すべて”人”だと思っています。とすると、人とどうコミュニケーションを取るかが重要なのではないかと思います。コミュニケーションスキルがあれば、流行りの技術や資格の情報を得ることもでき、自ずと時代や環境に適応できていくのではないかと思います。」 「2010年代までは電話やメールでのコミュニケーションが主流でしたが、今はチャットだけでも仕事ができてしまう時代です。電話とチャットとでは相手への伝え方やマナーが違うこともありますよね。時代によってコミュニケーション手段が変わっていくので、時代に合わせたコミュニケーションスキルを学んでいくことが重要だと考えます。」
経験値を”武器”に、また新しい知識の習得やコミュニケーションスキルのアップデートといった”武器”の鍛錬を怠らないことが時代の変化に適応していく鍵となるようです。参加者の皆さんがお互いの意見に大きく頷きながら共感しており、各々大きな収穫となったようです。
座談会を終えた皆さんから感想を伺いました
座談会終了後のアンケート結果をまとめました。
「皆似たような不安を抱えていることや、これまでのやり方が間違いでないこと等、新たな発見や再確認ができる良い機会になりました。50代以降のキャリア形成について、自信と勇気を貰えました。」 「ファシリテーターから、実のある優しさのこもったアドバイスをいただけました。社内の道標を見つけられたような気がします。」。
との声が上がり、今回の座談会を通してベテラン社員のモチベーションアップや自信に繋がった様子が伺えました。また、50代以降での昇給例や資格取得例を聞いた参加者は、「長く働きたいという思いが強い自分にとっては、50代~60代という年齢はまだチャレンジできる年齢なのだということが知れたので良かったです。」とも発言していました。
また、下記のような意見もありました。
「こういった横の繋がりが増える機会はとても助かります。業務や技術に直結する勉強会や研修は社内に多くあると思いますが、それとは少し異なる面での社員同士の交流の場は新鮮でした。」 「顔見知りができるのはありがたいです。入社してすぐに現場に入ることがほとんどだと思いますので、特にテーマを決めずに話す場があっても良いと思います。」
横の繋がりをもっと作りたい、という声を多くいただきました。また今回の座談会には「自分はベテランではないが参加したい」という20代~30代の参加者も多く、今回のように同世代で集まる機会や、気軽に悩みを共有できる機会を継続して設定していきたいと思います。