【プロボノ活動】保護施設の子どもたちにむけたICT教育~Dirbatoが行った支援内容

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(左から)Dirbato Ichikawa、Kasugai

     Dirbatoの行うプロボノ活動では、社員の持つコンサルティングの専門性を活用し、社会課題の解決に取り組む非営利団体に対して支援を行なっております。直近では、一時保護所にいる児童にICT教育を行う、NPO法人ITサポート銀のかささぎ(以下銀のかささぎ)へ支援を実施いたしました。
     前回の記事では、銀のかささぎと対談インタビューを行い、立ち上げの経緯から今後の展望など双方の思いを語りました。今回は、Dirbatoが銀のかささぎへ行った具体的な支援内容や、活動に参画したメンバーが語った内容をご紹介していきます。
前回の記事:
【プロボノ活動】NPO法人ITサポート銀のかささぎ対談インタビュー

目次

  1. 1.銀のかささぎの認知度向上や継続的な資金調達のために、Dirbatoが考えたこと
  2. 2.プロボノ活動を終えて
  3. 3.最後に

1.銀のかささぎの認知度向上や継続的な資金調達のために、Dirbatoが考えたこと

     銀のかささぎは、活動を継続し、実績を重ねる一方で課題に感じていることもありました。話を伺うことで、以下を課題感として捉えていると伺うことが出来ました。

①地方自治体や企業、自団体の広告媒体という各種チャネルを上手に活用できていないため認知度が低いこと
②寄付金・助成金が単発での援助となり、財源確保のスケジュールが立てられていないこと

     Dirbatoは上記の課題に対し、銀のかささぎへヒアリングを重ね、テーマを明確化し、支援内容を設定していきました。

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まず初めに現状分析を行うため、関係者の相関図を整理し、銀のかささぎを取り巻く環境とステークホルダーを把握するところから始めました。そして、類似したNPO法人がどんなファイナンシング、ブラディングを行なっているのかSWOT分析や6W1H分析を活用して整理していきました。 こういった現状分析/市場調査で集めた情報を用いて、銀のかささぎの現在と、あるべき姿を検討していきました。これから何を実行すべきかディスカッションを重ね、メンバーから60を超える戦略案が上がってきました。 そして、その戦略案を5つにカテゴライズし、さらに2つのチームに分けてスケジュール設定をしていきました

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具体的には、持続可能な新たな財源候補の決定やその内容の可視化、HPやSNSでの情報発信によるブランディング強化に向けた施策の検討です。Dirbatoの支援が終了した後も、銀のかささぎが自走し継続できるよう、メンバーごとに今後の進め方について提案をいたしました。 銀のかささぎは、プロボノ活動を通して、第三者が評価することによって自団体の状況を振り返り、なにをすべきかを改めて気づかせてくれたと話しています。Dirbato内容をすぐに理解し、提案したことが感謝に繋がりました。

2.プロボノ活動を終えて

プロボノ活動での経験が、現場で行う調査や解決策検討にも役立ちました。

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Kasugai(Dirbato)

     私自身、大学時代にNPO法人の活動に関わったことがありましたが、一口にNPO法人といっても、その種類の多さには驚きました。今回は認定NPO法人の法人格取得に繋げるためのご支援をさせていただきましたが、認定とそうでないものの違いや、認定取得のメリットを知ることができました。
     NPO法人やファイナンシング・ブランディングについて深い知識のない状態からスタートしたため、難易度の高いご支援にチャレンジさせていただくよい機会だったと思います。潜在的な課題や目指す姿を言語化することで情報を整理し、課題解決や目標達成に繋がるご提案ができたと感じています。現在の業務でも、今まで関わってこなかったような情報を基に検討する機会が多々あるため、プロボノ活動での経験が業務上での調査や解決策検討などに役立ちました。


公益性の高い取り組みから、業務とは異なるやりがいを得られました。
        Kakizawa(Dirbato)

     「プロボノとは?」「NPO団体とは?」というところから、ヒアリングやチーム内でのミーティングを重ねて知見を得ていきました。多くのNPO法人は、一般企業と違って収入源が寄付によって支えられているため、安定した活動費用の確保が難しいです。それは銀のかささぎに限らず、NPO法人全体に当てはまる課題だと感じました。活動の中でインプットとアウトプットの繰り返しや試行錯誤を行ったことは、モチベーション面とスキル面双方で実りのある経験になったと思います
     こうした経験は、通常業務の中でも非常に役に立ちました。業務で同様のサイクルを早く回せるようになっただけでなく、相手に行動を促す資料の見せ方や説明の仕方について、お客様との打ち合わせなどでも活かすことができました。


コンサル業務を行う上で重要な、ゼロベースで調査をして提案するというプロセスを、改めて見つめ直すことができました。

Ichikawa(Dirbato)

     銀のかささぎは認定NPO法人を目指していたため、私たちは認定NPO法人になるためにはどうしたらよいのかというディスカッションを行っていきました。
     日頃の業務とは違い、領域に対して知見のある人がいるわけではなかったので、ゼロベースで議論をしていきました。未知のことを調べて、それを咀嚼した上で分かりやすく提案するという力はコンサル業務を行う上で重要なスキルです。これは提案業務だけでなく、新しい案件に配属された時のキャッチアップにも役立ちます。私の場合はキャッチアップに少し苦手意識があったので、改めてプロセスを見つめ直すことができました。
     また、年齢や職位に関わらずフラットに物事を進めるという機会は、今後の業務にも繋がる、非常によい経験になったと思います。

3.最後に


     今回の活動を通して、社会課題の解決に向けて貢献できたとともに、メンバー自身多くの学びがありました。普段の業務ではなかなか得難い知見を得ることができ、支援させていただいたことに関して感謝を申し上げます。今後も、社会課題の解決にむけた活動にDirbatoは取り組んでまいります。 (左奥から)Suda(Dirbato)、Kakizaki(Dirbato)、Tsuneda(Dirbato)Ichikawa(Dirbato)
(左手前から)山越さん(銀のかささぎ)、宮内さん(銀のかささぎ)、Kasugai(Dirbato)

監修
小河原 尚代
株式会社Dirbato(ディルバート)
コンサルティンググループ パートナー

大学卒業後、大手SIerに入社。その後、日系総合コンサルティングファーム、外資系金融企業に参画。DX推進、プロジェクトマネジメントを得意テーマとし、DX推進の一環で、IT組織変更も多く支援実績を持つ。組織改革やシンプル化・自動化といった業務改革のマネジメント経験を豊富に有する。クロスボーダーな課題解決が求められるグローバルプロジェクトの責任者も歴任。2020年4月1日株式会社Dirbatoに参画。

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