【座談会】テレワーク普及による変化と工夫

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     近年、働き方改革やコロナウイルスの感染拡大に起因して、テレワークが一般的になってきました。 しかし、最近ではwith/after コロナ時代に突入し、出社する人も見かけるようになり、Dirbato内も、お客様先や部署によって働き方に違いが見られます。 様々な働き方が浸透してきた現在、働く環境や社員の意識はどう変化しているのか、Dirbato社員を集め会話形式で話を伺いました。

目次

  1. 1.コロナ感染拡大がテレワークの普及を後押し
  2. 2.テレワークを失敗させないために
  3. 3.最後に

1.コロナ感染拡大がテレワークの普及を後押し

     今回参加した方は、みなさんコロナの感染が拡大した2年前からテレワークを開始していました。
     コロナ前はテレワークに対する環境整備ができていなかったという方もおり、社内は「出社が普通」の空気感で、 テレワークは風邪で休んだときにちょっとメールが見られるくらいの感覚だったそうです。現在は「出社は控えましょう」という空気感に変わり、毎日テレワークを行っているようです。
     コロナ前は、出社に違和感を抱くことはなく、毎日出社していた方がほとんどなのではないでしょうか。
     コロナ禍に入り、緊急事態宣言の発令などからテレワークが急速に普及し始めました。こうした状況からテレワークせざるを得なくなり、 リモートワークのルール作りよりも先に急ピッチで環境整備を行った企業も多いと思います。

     一方で、一度はテレワークに切り替わったものの、最近は「出社しよう」という雰囲気に戻っているという方もいました。 現在のチームでは週4の出社が推奨されており、オフィス回帰の雰囲気が見られるようです。 しかし、同じクライアント内でも別のチームではフルリモートをしていて、出社の回数はチームによってバラバラで、働き方に対する考え方が分かれているように見受けられます。

     with/after コロナ時代は、考え方やバックグラウンドによって働き方に多様性が生まれてきており、働きたいように働ける社会をつくる契機になっているのではないでしょうか。

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① 仕事と家事のバランス
     男性社員から、「テレワークによって、男性は仕事をするから、という家事をしない理由はなくなった。」という発言がありました。 テレワークによって時間に余裕が生まれるので、仕事の合間や終了後に、これまで以上に家事ができるようになったそうで、 「男性は仕事、女性は家庭」という考え方や振る舞いが変わりつつあるのではないかと思うそうです。

② 仕事と休憩のバランス
     自宅とオフィス間のみならず、オフィス内での移動時間もなくなったため、スケジュールを建てやすくなったという意見が中でも多く聞かれました。 しかし、会議を詰め込むことができるゆえにゆとりがなくなってしまうため、業務のコントロールが必要だと話します。

③ 電車通勤で感じていたストレス
     「テレワークに慣れてからは電車に乗るだけで疲れる。」と実感することがあり、 電車内で他人がパーソナルスペースに長時間入っていることが、知らないうちにストレスになっているのではないかといった意見もありました。 さらに、電車の場合、出発時間や降りやすいドアはどこなのかなどを考えなければならず、非常に細かいことではありますが、 気づかぬうちにストレスが蓄積しているのではないかと考えられます。

2.テレワークを失敗させないために

     部下のマネジメントにおいて、「新卒社員は、人との接し方や振る舞いなどのビジネスマナーは、先輩を見ないと学べないこともあると思う。」という意見から、 出社の頃とは違う部分について議論が始まりました。「防寒着を着て部屋に入らない、歩きスマホはしないなど、ちょっとしたことかもしれないが、 リモートワークだと出社の頃に比べると身に付きにくいかもしれない。」と、話します。
     先輩方の見様見真似で自然と身についていたビジネスマナーが、テレワークになったことによって実際に行動する機会が減ってしまうため、 習慣化されにくくなっている可能性が考えられます。


参加した方々は、部下の指導や仕事のスケジューリングに対して下記のような工夫を凝らしてしていました。

●     リモートワークだと部下が質問をしにくいと思うため、週2出社にして部下の様子を見つつ、気軽に質問ができるような環境を作っている。
●     スピード感を持って仕事をするため、「今電話していいですか?」の質問を禁止し、困ったことがあったらすぐに電話をするというルールを設けている。
●     家にいると、ずっと仕事ができてしまうので、スケジュールにブロックを入れて休む時間をつくるようにしている。
●     普段仕事をしていてもテレワークによって顔を合わせたことのない社員とは、出社したタイミングでご飯に行っている。(飲みニケーションという言葉も賛否両論あるので、配慮をしながら)

3.最後に

     出社がメインだった頃の、働いている姿を見てもらえるというある種の公平性は、テレワークの普及によって失われました。
     働き方は固定化されておらず、働きたいように働ける社会を目指すようになりましたが、働く雰囲気や所作が伝わらない分、成果が目立つようになっていきます。
     自分自身でのコントロールが必要になりますが、若手は自身でのコントロールが難しいタスクもあります。 リモートワークで成果を出すのにベストなかたちを把握し、実行するためには、チームビルディングのやり方も変わってくるのではないでしょうか。

監修
小河原 尚代
株式会社Dirbato(ディルバート)
コンサルティンググループ パートナー

大学卒業後、大手SIerに入社。その後、日系総合コンサルティングファーム、外資系金融企業に参画。DX推進、プロジェクトマネジメントを得意テーマとし、DX推進の一環で、IT組織変更も多く支援実績を持つ。組織改革やシンプル化・自動化といった業務改革のマネジメント経験を豊富に有する。クロスボーダーな課題解決が求められるグローバルプロジェクトの責任者も歴任。2020年4月1日株式会社Dirbatoに参画。

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