Dirbatoがダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)の取り組みを開始し、約2年を迎えようとしています。
女性活躍はD&I取り組み当初から注力してきた施策の一つですが、コロナ禍において、対面でのフィードバックを得る機会が少ないのが現状です。今回は、女性マネージャー5名に集まってもらい、マネージャーという仕事やメンバー育成への想いについて語る座談会を開きました。(取材日:2022年1月)
マネージャー昇格時の外部環境と心構え
はじめに、各自に初めてマネージャーに昇格した時の状況を共有いただきました。
(弊社以外のでも)マネージャー経験が20年以上ある社員は、「メンバー達から”(自分たちの)想いを届けてほしい”と言われ、期待に応えるべくマネージャーに昇格したものの、社会全体からは「女の上司なんて」と言われる時代であり、女性マネージャーが部下をマネジメントするのも、マネージャー同士でコミュニケーションとるのも、今より大変な時期でした。」と振り返っていました。
その一方で、今年度マネージャーとなった社員は、「Dirbatoでは、女性だから大変とは全く感じませんでした。」いう振り返りが。この差は、外部環境がこの20年で大きく変わったこと、またD&Iの考えが浸透してきていることを感じさせるものでした。
経験は様々ですが、どの女性マネージャーにも共通していたのは、「自分が思ったことをやり通したい、力を試してみたい」という気持ちを強く持ち、昇格機会をポジティブに捉えていた点です。
自分の考えが実現できる機会が増えることにワクワクした時の気持ちを、当時を思い出しながら振り返ってくださいました。もちろん、彼女達も昇格時に不安はあったようですが、ポジティブシンキング(前向きな姿勢や積極的な考え方で、現実の生活を楽しく望み通りのものに変えていく思考法)で払拭したようです。
マネージャーになって大切にしていること・取り組んでいること
「マネージャーとして大切にしていることは何か?」という問いに対し、ある社員は「部下のキャリアを、ある程度任されているという認識を持つこと」と説明し、別の社員は「正しいことや本当のことを発言しているだけでは相手には響かないことを、管理職になってから痛感しました。
どのように部下が課題に気づくようにするか、やる気にしていくか、部下の評価や育成が関わってくると、単にチームを率いるのとは大きく異なると感じました。」と説明してくれました。
どのマネージャーからも「部下の育成」という言葉が挙がり、一人一人と真剣に向き合っている姿勢が伺えました。具体的なメンバーの育成方法として、以下のような意見が挙がりました。
・ゴールを見せることと、状況の見える化を心がけている
・メンバー自身のミッションと責任範囲を明確にし、メンバーと「こうした方がいいのではないか」という改善ポイントを会話する機会を頻繁に持つように心がけている
・ゴール達成に向けた筋道を自身で考えさせて、経験したことがある仕事は任せてみる
メンバー個々でやりたいことや経験が異なることもふまえ、本人が一番パフォーマンスを出すにはどうしたらいいかを一緒に考えたりしているようです。
うまくいかないこともあるけれども、考えながら実践しているという発言には、全員が共感していました。
初めて取り組むことに失敗はつきものであり、改善しながらメンバー育成という経験を着実に積み重ねていることが分かりました。
「プロジェクトの参画当初と終結時で、部下自身の人が変わったかのような成長が垣間見えると嬉しくなります。
お客様から褒められているのを見ると、さらに嬉しくなりますね。」という意見もありました。
部下の育成を自分事としてとらえることと、部下の育成度には相関関係があるのではないかと感じました。
マネージャーには、メンバー育成以外にも、プロジェクトの全体統括や品質担保を担う役割があります。
メンバー育成以外のマネジメントについて聞いてみたところ、「品質の可視化や課題の可視化のほかに、先を見越したマネジメントが求められます。
メンバーにどう動いてくれるのかを意識するのも大事ですが、ネガティヴな判断をしなければならない時ほど、定量的な集計から始まり、お客様の声やメンバー同士の声を可視化するようにしている」、「お客様のフィードバックなどの可視化は特に大切だと考えている」等、プロジェクトに関わるお客様やメンバーとの対話を大切にしている方が多かったように思います。
自分自身のキャリアアップ、スキル向上にも意欲的であり、今まで経験したことのないものに取り組んでいきたいという意欲を持つ方ばかりでした。
これからマネージャーを目指したい人へのメッセージ
今回の座談会に参加してくださった皆さんが大切にしていることとして、部下の育成、プロジェクト成功に向けたマネジメント、自分自身のキャリアアップという三つの共通項が見つかったように思います。
そのような女性マネージャーからこれからマネージャーを目指す人に、以下のようなメッセージをいただきました。
・マネージャーになると、求められるものが変わってきます。プレイヤーとしても一段上を目指す必要が出てきますが、大変なことばかりではなく、やりがいもあります。
・以前はワンマンタイプで引っ張っていくマネジメントスタイルが多かったように思いますが、今は「サーバントマネジメント」のように、いろいろな人の視点をまとめていく力が求められると思います。みんなの力をうまく使えることが伝われば、視点がもっと広がるのではないでしょうか。
失敗を通して学んだことを次回に活かす、やりたいことはあきらめない、というマインドが女性マネージャーの原動力になっているように感じました。
また、メッセージにあったような「支援型」のマネジメントを得意とする方が多いことが、様々な経験を持ってDirbatoに参画してくれる社員たちが個々に活躍できる土壌を作り出しているのではないかと考えます。
若手社員の更なる成長意欲向上のきっかけになればよいと考えると共に、Dirbatoを成長させていきたいと考える仲間が近くにいて、心強いと感じた座談会でした。